2011/4/27(水)
日本橋から沼津宿(12)へ18:40 いざ出陣
リュックに、2日分の着替え(3ローテンション分)、カメラ、ケイタイ、充電器、薬類、雨具(ビニール袋)、財布、行動食として出発前に職場の仲間からもらったジェルやお菓子など、必要最低限、走れる最大限の重さになっていた。
日本橋には職場は八重洲なので10分ほどで到着した。
大阪までどんな道なのか、どこまで行けるのか、脚が持つのか、身体が持つのか、どんな状態になるのか、不安感と重圧感、それに虚脱感みたいな~全身を襲ってくる。
あいにく天気予報では夕刻から風雨になるそうだ。まだ雨は降っていないが、風が吹き始め、今にも降りそう。一層の不安感に加え、重圧感と抵抗感、さらに逃避感も・・・
もうなんだかわからない状態になりながらも、まず最初の日本橋を写真に収めていた。
19:00 日本橋
広重の「日本橋 朝の景」 のように、今の日本橋は反っておらず幅はもっと広い、欄干もその面影はなく、さらに橋の上を首都高速環状線が走っていて景観が台無しだ。
ここ日本橋からは東海道の他に甲州街道、北へは奥州街道と途中から日光街道、そして中山道の五街道の起点でもある。
号砲もなければ、スタート合図もなく
とにかく無心になってスタートする・・・
これからの壮絶なドラマの始まりとも知らず・・・
初日の宿も、どこまで行けるかわからないので決めていない。
初日の宿も、どこまで行けるかわからないので決めていない。
19:11 銀座
ひとごみの銀座を抜け新橋から品川へ向かう
誰もこんなバカな事をしているとは知らないだろうなっ、と思いつつもひたすら走る
誰もこんなバカな事をしているとは知らないだろうなっ、と思いつつもひたすら走る
19:51 品川駅
京浜国道は信号ばかりで思うように走れない帰宅ラッシュの品川駅に着いたが・・・
まだ10kmも走っていない~先は長い~
京急の踏切を渡り、 京浜国道から旧街道に入る
踏切の手前にある品川宿マップ
今度はゆっくり歩いてみたい~
20:00 (1) 品川宿(7.9km)
広重の「品川 日の出」が描かれた場所がこのあたりだそうだが、昔は海岸線がすぐそばまできていたようだ。
景色が一変、旧東海道の趣きがある。
記念すべき東海道の
最初の宿場だ
品川宿一里塚跡
日本橋より二里(約8㎞)、次の川崎宿まで二里半(約6㎞)
旧街道に入ると一気に交通量も減り排ガスもないが歩いている人も少ない。寂しくなり孤独感が募りだすが・・・走るしかない!
江戸初期には橋はあったようだが、洪水で流された後に「六郷の渡し」を描いたものだ。
昔はこの方角に富士山が見えたようだ、感覚的に富士山の方向に向かって写真を撮ってみた。
昔はこの方角に富士山が見えたようだ、感覚的に富士山の方向に向かって写真を撮ってみた。

21:23 六郷橋
多摩川を渡り神奈川県川崎市に入る
橋を渡ってすぐに右に折れ再び旧街道に入るが、しばらくして京浜国道に合流
雨が降りだし、ビニールカッパをはおる。
時折、横なぶりの雨・・・でも、負けずに走る!

22:51 京急 神奈川駅
京浜国道から逸れ、京急の神奈川駅に着く
人気もまばらに・・・

広重の描いた「神奈川 台の景」のように、昔はこのあたりまで海岸線がせまっていたのだろう。
確かにこのあたりから緩やかな上り坂が続く。
このあたりに警備強化のために宿場の入口に関門が設けられていたようだ
雨がきつくなり、軒先で少し雨宿りしながら、地図を見て保土ヶ谷方面に向かう旧街道を確認する
雨がひどくなってきて完全に靴の中は浸水状態。
幸い、さほどの寒さではない。
23:27 (4)保土ヶ谷宿(33.3km)
広重の「保土ヶ谷 新町橋」は、JR保土ヶ谷駅までの途中の帷子(かたびら)川に架かる帷子橋が絵の新町橋ではないかと
思われるが・・・雨と暗さで十分に見つけられないまま保土ヶ谷駅に到着。
雨が激しくなってきたので、保土ヶ谷駅で20分ほど雨宿りする (1回目の経過報告をメール)
思われるが・・・雨と暗さで十分に見つけられないまま保土ヶ谷駅に到着。
雨が激しくなってきたので、保土ヶ谷駅で20分ほど雨宿りする (1回目の経過報告をメール)
2011/4/28(木)
初日の徹夜ランに突入
ここから次の戸塚宿まで入り組んだ道でわかり辛かった。
初日の徹夜ランに突入
ここから次の戸塚宿まで入り組んだ道でわかり辛かった。
日付けがかわっても、雨は降り続く
深夜2時を回ると、深夜店も明かりが消え・・・
車も減り・・・孤独になるが・・・走るしかない!
深夜2時を回ると、深夜店も明かりが消え・・・
車も減り・・・孤独になるが・・・走るしかない!
広重の「 戸塚 元町別道」は、伯尾川に架かる吉田大橋だとされるが、、、どの川が伯尾川だったのかわからないまま戸塚駅についた。
遊行寺を探して走ったが・・・・地図ではコース上の右手にあるのだが、イメージしていたような門構えは見当たらず通り過ぎたようだ。(涙)
広重の描いた「藤澤 遊行寺」は、境川を渡る橋と鳥居(現在はなし)からの眺めだが、川を渡ったことも気がつかなかった。
広重の描いた「藤澤 遊行寺」は、境川を渡る橋と鳥居(現在はなし)からの眺めだが、川を渡ったことも気がつかなかった。
雨で地図をこままにチェックしなかったせいで、線路(JR線)を越えたところでチェックすると・・・
1㎞ちょっとコースアウトしてしまった。
地図と携帯で位置を確認し、最短ルートで東海道へもどる。
04:26 平塚駅近くの平塚八幡宮
平塚八幡宮の陸橋を渡るここまで60㎞ちょっと。まだまだ先は長い~。
05:02 (7)平塚宿(63.6km)
広重が描いた「平塚 縄手道」に描かれている高麗山がくっきりと見えた
このあたりにしては突出した小高い丘のようにそびえる高麗山(標高168m)の姿を見て広重も思わず画にしたのかも・・・
この方向に富士山が見えたのだろう
ほぼ夜中じゅう降ったり止んだりしていた雨も上がり、気持ちのいい朝を迎えたが・・・
どうも水ぶくれができた(涙)
雨でふやけたせいで右の足裏の指の付根の土踏まず寄りのところ、正式には母趾内転筋横頭(ぼしないてんきんよこがしら)とか言うみたいです。ヒリヒリした痛みが出だしたが、特効薬も持ってないので・・・靴を脱いで確かめる気にもならず・・・そのまま続行・・・。
ふと気づくと、昨夜からの雨と深夜の先を急ぐ気持ちで、コンビニにもよらず、出発前に部下から貰ったスポゼリーを食しただけで、急にお腹が減った。ちょうど高麗山の前に見慣れた赤と黄色のMマークがあったので朝食をとることに。
広重の「大磯 虎ケ雨」の松並木を走る
距離にして500mもなかったが情緒があった
距離にして500mもなかったが情緒があった
大磯と言えば・・・芸能人水泳大会でその名を知らしめた大磯ロングビーチを思い出した。
歳がバレる~(笑)
陽が上がり昨夜までの雨が嘘のように晴れ気持ちの良い一日になりそうだ。
だが、足裏の水ぶくれは
今にも悲鳴をあげそうだ~
今にも悲鳴をあげそうだ~
信号で立ち止まったあとの走りだしが痛い!
だが不思議と少し走ると
痛みが麻痺して走れるもんだ
ここで、これまで恥ずかしくてつけなかった
「東海道57次遊走中」と書いた紙を
リュックにつけた。
「東海道57次遊走中」と書いた紙を
リュックにつけた。
がんばろう東北!
輪になろう日本!
途中、修学旅行か、多くの高校生に遭遇
さっそく「遊走中」のサインを見たのか、大きな声援を受ける・・・
ちょっと恥ずかしい~でも、元気がその100倍も出た気分!!
さっそく「遊走中」のサインを見たのか、大きな声援を受ける・・・
ちょっと恥ずかしい~でも、元気がその100倍も出た気分!!
10番目の宿場、箱根(箱根湯本駅)到着 ここからが最大の難所「箱根越え」へ
一度、旧道を走ったがそれが舗装された車道だったので、本当の旧道がどんなに険しいか・・・
まだ気づいていない
一度、旧道を走ったがそれが舗装された車道だったので、本当の旧道がどんなに険しいか・・・
まだ気づいていない
9:51 箱根旧街道の入口
もうアカン~
こんなところでくたばってたまるか~!
とにかく前に進むしかない・・・脚を引きづりながら登りきる
湯本から元箱根までは、箱根駅伝のコースの国道1号線、箱根旧道の732号線があり、いずれも舗装路で車が走れるが、その732号線に沿った箱根旧街道がある。
ここから至難の石畳が続く・・・萩往還を彷彿させる辛さ
踏みどころがよくないと激痛が走り何度となく立ち止まる・・・
踏みどころがよくないと激痛が走り何度となく立ち止まる・・・
ごつごつの石畳を登る、石畳の風情をよそに、いかに尖がった石を避けるが・・・
石畳が足裏の水ぶくれを直撃!!
破裂ぅ~う!!
破裂ぅ~う!!
ここでリタイアか・・・旧道にこだわったのが失敗か・・・
もうアカン~
こんなところでくたばってたまるか~!
とにかく前に進むしかない・・・脚を引きづりながら登りきる
10:45 箱根展望台 (標高 805m地点)
やっとの、やっとの思いで見晴らしの良い所に到達!
やっとの、やっとの思いで見晴らしの良い所に到達!
箱根旧街道の下りは辛かった~
登りの石畳で敗れた水ぶくれで踏ん張りがきかない
登りの石畳で敗れた水ぶくれで踏ん張りがきかない
11:02 元箱根にある箱根神社の一の鳥居
旧街道から 国道1号線にでたそして芦ノ湖のパノラマが広がった!
まだ桜が・・・!?思わず目を疑った
このあたりは4月下旬ごろまで楽しめるようだ
中央に富士山もくっきり、箱根越えのつらさが吹っ飛ぶ~
その右には箱根神社の平和の鳥居も見えた
先ほどの広重の「箱根 湖水図」はこのあたりから
富士を見ながら想像して描かれたのかもしれない
富士を見ながら想像して描かれたのかもしれない
だが、足裏は壊滅状態・・・
箱根駅伝の往路のゴール地点近くでランチ&休憩することに
カレーうどんを食べながら・・・ 当初の計画を見直し今日中に静岡まで行く予定をあきらめ、リタイアするとしてもどこか電車駅まではと・・・
とりあえず、この先の箱根峠を超え東海道沿線に出ることが懸命だと、沼津まで行くことに(3回目の経過報告をメール)
カレーうどんを食べながら・・・ 当初の計画を見直し今日中に静岡まで行く予定をあきらめ、リタイアするとしてもどこか電車駅まではと・・・
とりあえず、この先の箱根峠を超え東海道沿線に出ることが懸命だと、沼津まで行くことに(3回目の経過報告をメール)
千ちゃんから励ましのメールがあり、水ぶくれに「キズパワーパッド」が利くと・・・・・
薬局かコンビニを探すが箱根界隈にはなく、痛みをこらえて・・・もう一山越えて三嶋へ向かう
このときも、
多くの修学旅行生に励まされ・・・
元気パワー充電完了!!
このときも、
多くの修学旅行生に励まされ・・・
元気パワー充電完了!!
区分け上では三嶋宿に入る(と言っても山の中)
下り基調の旧街道を延々と走る・・・コンビニなどもなにもない
本来なら気持ちよく走れるが・・・石を避けながら慎重になって下る
旧街道を抜け国道に出ると三嶋の市街地が見え始めた
最初のコンビニに立ち寄るが、キズパッドはない~
次のコンビニにも・・・やっとイトーヨーカ堂があり、ゲット!!
早速、トイレで応急処置・・・
最初のコンビニに立ち寄るが、キズパッドはない~
次のコンビニにも・・・やっとイトーヨーカ堂があり、ゲット!!
早速、トイレで応急処置・・・
気分的に楽になったが、
すぐ痛みがとれるものでもない
気がつくと、コンビニ探しに気をとられコクイチ(国道1号線)を直進し、2回目のミスコース!!
もう着いてもいいはずの三嶋大社を2.5km以上も通り過ごしたところに居た・・・
戻るかどうか、迷ったが・・・足は反対向いてた
16:09(11)三島宿(三嶋大社) (115km)
往復で5km(約45分)のロスだったが・・・
とりあえず、写真が撮れたので
気を取り直して沼津へ向かうことに
とりあえず、写真が撮れたので
気を取り直して沼津へ向かうことに
16:55 (12)沼津宿(120.0km)
黄瀬川を渡り沼津市に入った
広重の「沼津 黄昏図」に描かれた狩野川沿いに走るが川は見えない。絵の三枚橋の先に宿場があったようだ。
足裏は走り出しは痛くて飛び上がりそうだが、1kmくらい走ると脳内麻酔効果か?
痛み和らぎ麻痺する感覚・・・しかし、ちょっとした段差に当たると痛い・・・が走れる!!
広重の「沼津 黄昏図」に描かれた狩野川沿いに走るが川は見えない。絵の三枚橋の先に宿場があったようだ。
足裏は走り出しは痛くて飛び上がりそうだが、1kmくらい走ると脳内麻酔効果か?
痛み和らぎ麻痺する感覚・・・しかし、ちょっとした段差に当たると痛い・・・が走れる!!
17:50 片浜駅
そのまま沼津駅を過ごし片浜駅まで走ったところで、
なんと千代田走友会の片山さんご夫妻が激励の応援で来てくれた!
今日はそこで上がり一緒に食事に行くことに。
沼津漁港で旬のさくら海老のかき揚げや刺身で至福の時
わざわざこんなところまで・・・
片山さんどうもありがとうございます
「ほんと、大変お世話になりました!」自分自身が写った写真はの片山さんに撮っていただいたこれがあとにも先にも1枚だけです
片浜周辺にはホテルがないのでその夜は沼津駅前のホテルに泊まる
■ 1日目(27日~28日)の記録
27日19:00 日本橋スタート28日17:50 静岡県片浜駅到着
総距離 約127km + ミスコース分5km?
通過宿場数 12宿場
天候 夜から朝方まで雨(神奈川~藤坂間)
体調 両足裏に水ぶくれ(数箇所)それ以外はOK
キズパッドで応急処置
感謝 沼津で片山ご夫妻の激励、箱根の修学旅行生の声援ほか多々
苦悩 水ぶくれとの戦い、箱根石畳、ミスコース2回・・・ほか多々
























