2015/09/19

2014 Spartathlon [ プロローグ ]

スパルタスロンに向けて

★スパルタスロンへの思い!
15年前に初めてフルマラソンを完走した後、ウルトラ、超ウルトラマラソンの存在を知り、さらに世界で最も過酷な大会(当時)と言われている“スパルタスロン”のことを知った。が、フルの6倍の246㎞なんか走れるわけがないと思う程度で、ボクにとっては無縁の言わばオリンピックのような大会でしかなかった。そして、速さを競うランナーでなく、ゆっくりでもよいから長く楽しく距離をこなすジョガーを目指そうとウルトラへの思いが募りだした。もちろんマラソンはスピード競技で速く走らないと勝てないが、一般的にマラソンに挑戦すること自体が“強い志し”と“それなりの練習”が求められ、何も速く走らなくても制限時間内に完走すればその人にとっては他では味わえない感動があるはず。

ボクが思うマラソンの勝者は、速さや距離で競って勝敗を決めるのではなく、走った人それぞれがいかに楽しく走れて、ゴールした時にどれだけ満足感や達成感を味わえたか、その度合いがたくさんあるランナーが勝者だと思う。無論、苦しい練習をしてサブスリーを達成したランナーも凄いが、例え3㎞のファミリーランでも家族全員で一緒に頑張ってゴールすれば誰にも負けないくらい感動があるかもしれないし、70や80歳になっても、走れる喜びを満面の笑みでゴールするランナーの笑顔には誰も勝てないかもしれない。ゆっくりでも長く楽しく走れて、いつまででも笑顔で走り続けるランナーでありたい。

そう思いながら、初めてウルトラマラソンに挑戦した丹後100㎞で完走でき、各地への遠征が始まった。100㎞以上の超ウルトラとして、富士五湖112㎞、萩往還140km、250km、小江戸大江戸203km、単独で東京(日本橋)から大阪(大阪狭山市)まで東海道57次600㎞、関スパ320㎞、沖縄本島一周330㎞を走った。そして、いつしかスパルタへの野望が目覚めていた。


★スパルタへ向けての試練
無論、スパルタの参加条件は、100kmを10時間半以内で完走すればクリアーするが、実力的には
サブテン、サブナインとも言われ、距離と速さが求められる世界屈指の大会だと再認識し、2年
計画で練習メニューを考えた。スパルタのコース(詳細は後述)の大きな難所は3つ、まずは、
①日中は気温30℃以上にもなり最初の80㎞の関門が9時間半と厳しく、そこで毎年半数近いラン
ナーがリタイアする。そして、②150㎞地点で深夜に1200mのサンガスの山越え、気温も1ケタに
下がる。さらに、③ラスト50㎞もの距離は日差しを遮るものがなく、歩くほどのきつい登りでもでもないアップダウンが繰り返され、体力も気力も根こそぎ奪い取られるようなロードをひたすら走る。これらの具体的な練習課題として、①スピード力アップ(8月炎天下の琵琶湖1周を計画、80㎞地点9時間以内)。②トレランによる脚の柔軟性と心肺機能の強化(六甲縦走、ダイトレ縦走での足慣らしと奥武蔵78㎞)。③ロードでの50㎞走で精神鍛錬(月間600㎞走り込み)と、今思えばそこまでやってどうする!と言われるのがオチだが、初めての大会への意気込みとしてはこれでも不安だった。

コース概要
アテネの名所パルテノン神殿のふもとを朝7時にスタート。アテネ市街地を抜けて27㎞あたりからエーゲ海沿いを走り、コリントス運河(78.5㎞)を渡る。その後、田舎道に入りブドウやオリーブ畑の中を走り、いくつかの村を通過すると100㎞過ぎたあたりから標高差351mの登り坂が続きネメア(124㎞)に。このあたりを前後に日が暮れだし深夜に標高差960mのサンガス(標高1200m)を登る。そして夜明けごろに舗装路に入りテゲア(195㎞)に到着。ラスト50㎞は容赦ない日中の暑さの中、ランナーにとっては嫌~ななだらかで長い上り下りを繰り返しスパルタへ向かう。ゴールはスパルタ市のシンボル「レオニダス王像」の足にタッチした時がゴールタイムとなる。日中の気温は30℃以上、夜は5℃まで下がる。これまでの完走率は30~40%。

コース地図 http://www.spartathlon.gr/race-map.html

準備
74ヶ所あるエイドステーションのどこにでも、あらかじめ自分の補給食や備品を置くことができる。今回初参加なので、どのように準備すればよいかわからなかったが、過去9回出場9回連続完走のY子さんからアドバイスをいただき、約20㎞を目安に、OS-1やサプリ類、捕食となるもの(SoyJoyやおかゆなど)、また、その時の状況で食べたいものが選べるようにソルト系(おかきや干し梅など)と、スイーツ系(チョコやクッキーなど)を1~2品づつ、食べなくて捨ててもよいと判断して袋詰めした。

ドロップリスト
CP4   19.5 km OS-1ゼリー、SoyJoy、BCAA、柿ピー、グラノーラクッキー、干し梅
CP10 38.8 km OS-1ゼリー、梅がゆ、CCD、ミックスジュース、干し梅
CP17 60.9 km OS-1ゼリー、SoyJoy、BCAA、柿ピー、ぬれおかき、チョコ、干し梅、瞬間冷却剤
CP22 80.0 km レトルトカレー、CCD、豆乳、チョコバー、おかき、干し梅
CP29 102.1 km バックパック、ヘッドライト、手袋、梅がゆ、CCD、チョコバー、干し梅
CP35 123.3 km OS-1ゼリー、SoyJoy、CCD,、赤飯レトルト、チョコ、干し梅
CP43 148.3 km 卵がゆレトルト、CCD,、柿ピー、グラノーラクッキー、サプリ、干し梅
CP52 171.5 km ぬれおかき、CCD,、柿ピー、ミックスジュース、チョコ、干し梅
CP60 195.3 km レトルトカレー、SoyJoy、CCD、チョコ、グラノーラクッキー、干し梅、瞬間冷却剤
CP65 212.3 km OS-1ゼリー、梅がゆ、BCAA,、ハッピーターン、干し梅
CP70 231.4 km AminoVitalゼリー、SoyJoy、柿ピー、グラノーラクッキー、チョコ、干し梅
CP74 244.4 km 寄せ書き日の丸+ギリシャ国旗、チョコ、干し梅、袋菓子(子供たち向け)

好みのエイドにドロップした一覧




















いよいよアテネに向けて出発

9月23日 21時に関空集合。今回で連続10回目の完走を目指す“Y子さん”を団長に、その一番弟子の“トヨマン”、時間があれば一人で山籠もりする山の女王“今○さん”の4名で出発。

関空23時発のカタール航空でドーハ経由で、 アテネには次の日の昼12時過ぎに到着予定。

乗り継ぎ時間を含めて約20時間ほどかかる。なんといってもギリシャは初めてなので、パルテノン神殿やエーゲ海、コリントス運河など楽しみも多いが、まずは完走!。絶対完走!。No Goal! No Home!(ゴールしなければ帰ってくるな!)と、練習仲間からきつ~い激励を受けて来たので、なんとしてもゴールしなければ・・・、それどころか80㎞の関門で引っかかったら目も当てられない!


初めて乗るカタール国営航空でまずは経由地ドーハへ


10時間のフライトで現地時間の深夜にドーハに到着、
ここで約4時間の乗り継ぎ時間があり、さらにアテネへ向かう
 
ドーハで東京から到着したジョイナーさんはじめ著名なランナーの皆さんと合流

空港内のカフェバーで名だたる方々のラン談義が耳に入ってくる~「この前の××はどうやった?」「ま、何とか8時間は切れました!」なっなに??ウルトラの話か?サブ8?「△△でやっと30分切れました!」えっそれって、まさかサブ2.5?そんな会話が交わされ、つくづくここに来ている皆さんはレベルが違うと思い知らされる。もちろんそれなりの条件をクリアーしてエントリーできたわけだが、それにしてもレベルが高い!やはりスパルタは国内の超ウルトラを完走したくらいでは厳しい。でも、ここまで来たからには、そんなレベルでないボクが完走してみせると意欲が沸き立った。

アテネ空港に到着

予定通り昼12時過ぎにアテネに到着。空港の外にでたが、蒸し蒸しする暑さではなかったが、日差しはきつそうだった。

ここからバスで、日本事務局のランナーズ・ウェルネスが手配してくれたホテルへ向かい、大会の受付を行う。


アテネの宿泊先、Best Western Fenix Hotel。ここ数年、ここが日本人ランナーの定宿だったようだ。ここが受付会場なので日本人にとっては移動しなくていいので助かる。

 
大会受付へ
さっそく受付に並び、健康診断書を提出をして、ゼッケン、身分証明書、大会Tシャツとキャップを受け取ると、一気にテンションが上がり同時に重圧感と焦燥感に襲われる。ただ、本番は明後日なので、明日一日コンディション調整をしてレースに臨むことになる。



受付を済ませホテル内でランチバイキングをとる。滞在中はホテル内で1日3食のバイキング料理が用意され、これも大会費用に含まれている。




その日のランチは、豚肉とジャガイモのソテー,白身魚フライ、カッテージチーズ入りサラダ、バターライス、パン、フルーツゼリーだった。


部屋に入り少し休憩して、歩いて20分ほどのところのスーパーへ買い出しに行く。

翌朝 7:00 ロビー集合
日本を代表するツワモノランナーたちが集まる(ボクを除いて~)
朝練で海岸線沿いのコースを走るのが恒例になっているみたい
 
 
ギリシャで迎える初めての朝陽
なんとなく清々しい気分と、明日のこの時間にスタートする重々しい気分が混ざった感じ。
太陽光が顔にあたると勇気がもらえた気分になる~!
 
アテネのシティートラム(路面電車)   
アテネ市内と結ぶ交通手段
しばらく線路に沿って走る
 
 エーゲ海をバックに、このいずれ劣らぬランナーの顔ぶれ(ボクを除いて~)
 
 
 明日の足慣らし程度のジョグ
途中でオリーブの木が実をつけていた
ドロップバッグを預ける
74あるエイドナンバーが記された袋に、ドロップバッグを入れていく
ドロップバッグの大きさやスタイルは特に指定されていないが、
ゼッケンナンバーが明確になっていないと意味がない。
中には、スポゼリーに直接ナンバーだけ書いてすべてのエイドに入れていく
海外ランナーもいた。
 
各エイドでは受取っても余ったものは。「Go to Sparta」と言って返却すれば
スパルタまで戻して、後で返却してもらうことができる
が・・・なかには戻ってこないケースもあったとか~

ランナーズ オリエンテーション
プログラム上では英語、ギリシャ語の2回行われるが、日本からの参加者も多いため
特別に日本人だけを集めて、英語の説明を英語に精通したランナーが通訳してくれる
 
基本的には、これまでとの違いや、コース説明、同伴者(サポータ)への移動の説明など、
今年からか?ウォークマンなどの音楽を聴きながらは禁止とのこと。
英語の説明だと、精神的な一種のDope(麻薬)だという表現だった
 
結構、常連ランナーが多いかして、お互いの再会を喜ぶ光景が多くみられ、
ボクみたいに初参加者には、一字一句が貴重な情報だったが、意外とさらっとした説明だった
 
いよいよ明日7時スタートする
小学生の運動会か遠足の前夜の気分で、寝れないかも・・・(笑)
 
さて、どうなることやら

 

Spartathlon 2018

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